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第39回全国都市緑化北海道フェア「ガーデンフェスタ北海道2022」閉幕

今年6月25日から恵庭市の花の拠点「はなふる」を中心に開催された第39回全国都市緑化北海道フェア(愛称:ガーデンフェスタ北海道2022)は、7月24日最終日を迎え閉幕した。実行委員会によると、期間中の来場者数は、通算で当初の目標(30万人)を超える34万人に達し、経済的な効果はもちろん、北海道のこれからの花のまちづくりの大きな可能性と、今後の北海道ガーデンの目指す姿を示してくれたものと評価したい。

かつて、花のまちづくりはお金にならないと言われた時期もあったが、恵庭の花のまちづくりはその言葉を覆すように、花に関する取り組みが地域の経済に大きく貢献している貴重な事例となっている。恵庭市における美しいまちづくりは、着実に市民の町に対する誇りや郷土愛を育み、市民のまちづくり活動を活発化させるとともに、若者が町に戻り、人口も増え、過疎地や後継者難に悩んでいる町がうらやましがるような存在となっている。今回のイベントは、これまでの都市緑化フェアに比べ規模は小さいものの、このような恵庭市のまちづくりの一つの通過点として、恵庭市民のエネルギーが結集したすばらしい内容のイベントになったと思われる。

ガーデンアイランド北海道が目指すものは、一つにこのような花のまちづくりを全道、全国に広げ、名実ともに日本を経済的にも豊かなガーデンアイランドにすること。ガーデンアイランドの提唱者でもある川勝平太氏(現静岡県知事)は、かつて「庭園の島・日本」を提唱し、それが当時の全国総合開発計画に盛り込まれた経緯がある。氏は、歴史的に日本人が継承してきたすぐれた園芸文化や園芸技術を現代社会でもう一度復活させて、それを世界の平和に役立てたいとの思いでガーデンアイラズ(庭園の島々)を提唱したという。アイランズという複数形で用いたのは、環太平洋のアジアの国々をイメージしていたようで、戦争や環境破壊、飢餓に苦しむアジアの人々を、日本人のもつ園芸の力で美しく豊かなまちをつくることで救いたいとの思いがあったようだ。

話が少し大きくなってしまったが、ガーデンフェスタ北海道2022の終了に際して、このようなガーデンアイランドの理念と重ねながら、今回のガーデンフェスタの成果を検証し、単なる一過性のイベントに終わることなく、今後の北海道の花のまちづくり、ガーデン事業の発展につながる重要な契機にしたいと考えている。(有山)

ガーデンフェスタ北海道2022の成果をどう次につなげるか。大きな課題を投げかけて閉幕。

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